活動報告

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2019年 活動報告

11月 第2部 講演・セミナー

  令和元年記念
 「三重県 伊勢市企業視察研修」

日程:2019年11月28日(木)〜29日(金)
   1日目 (11月28日)・キクカワエンタープライズ株式会社、三重県南部自動車学校
   2日目 (11月29日)・内宮参拝〜おかげ横丁 訪問

 今回は即位礼の年に最も深い関係を持つ三重県伊勢市を訪問。

 1日目は「切る・削る・磨く」に特化した、際立つ技術力と高品質で、貴重な資源の永続的な活用を徹底追求するキクカワエンタープライズ株式会社。 続いて、独自の先進的な発想を起点に次代を切り拓き、地域シェアNo.1を誇る三重県南部自動車学校を訪問。
 2日目は文筆家・千種清美氏の案内で神聖な地・伊勢内宮の文化と歴史に触れながら、新たな時代の観光を具現化した人気のおかげ横丁を視察。多くの学びを得た令和最初の学び多い視察研修でした。


中村 元昭氏


八田 重彦氏


企業訪問の様子


集合写真


参拝の様子


おかげ横丁にある赤福

10月 第2部 講演・セミナー

  第2部 講演・セミナー
 「SDGsを体感・体験しよう!」~ SDGsカードゲームによるワークショップ~

講師:SA・KURA企画事務所代表 橋本かおり氏
会期:2019年10月16日(水) 実働時間:18;00~20:00
会場:京都経済センター 6階

 橋本氏は同志社大学卒業後、電機メーカーで商品企画、中高一貫校の講師、マーケティング会社でリサーチを担当後、総合大学で4000以上の学生にキャリアカウンセリングを実施。現在、「新しい時代にシフトした生き方・働き方を伝える」ために、このテーマに即した研修やワークショップを提供。そんな研修にチヤレンジしました。

 「SDGs(持続可能な開発目標)」は、2015年に国連サミットで採択され、加盟国(193カ国)が2030年までの達成を目標として17のゴール・169のターゲットを設定しています。現在、各国が次代向けに注視しているのが「サステナビリティ(持続可能性)」という概念で、企業には環境・社会・ガバナンスという3つの観点が不可欠であると考えています。今回のカードゲーム「2030 SDGs」は、私たちのSDGs実現化への本質理解と、目標達成の道程を体験させるゲームです。「なぜ、SDGsが必要なのか」、「目指すことでの変化と、新たな可能性を見出す」という根幹把握と、明日への糧にできる体験をしました。
 ゲームの仕組みやルールはシンプルです。まず、参加者は個々に目標を選択。「大いなる富」、「悠々自適」、「貧困撲滅」「環境保護」、「人間賛歌」の5つです。例えば、「大いなる富」のゴール条件は「1,200G以上の富をゲーム終了時に保持し、得た富を十分に利用できる豊かな世界が整っている」と規定されます。「悠々自適」の場合は「15枚以上の時間をゲーム終了時に保持し、得た時間を十分に堪能できる豊かな世界に住んでいる」。「環境保護」の目標設定は終了時に「緑の意思を10枚以上保持し、生きる意味がある豊かな世界に住んでいる」です。開始前に「お金=100×5枚」、「時間×2枚」、「プロジェクトカード×3枚」が与えられ、会場には「世界の状況メーター」が表示されます。最初は「青(経済)=3」、「緑(環境)=3」、「黄(社会)=3」でスタート。ここから各自が様々なプロジェクトに取り組みます。その結果、バランスの取れた理想世界の達成者は、前半では3名。これが後半終了時には全員がゴール条件を満たすことができるようになります。
 終了後の総括では各チームから、「前半は各自が個々の目標を優先し、大きな偏りが生じた」、「後半には世界の状況メーターを逐次確認したので、誰もが世界のあり方に目を向け、自己犠牲の発想も生まれた」、「個々の利益を追い続ければSDGsは絵空事に終わる」、など実に多彩で有効な指摘でした。これらの発言を受けて「世界は繋がっており、誰もが起点です。最も重視しなければならないのはパートナーシップで、『(世界の状況の)見える化』も重要です。それぞれの立場でどのような一歩を踏み出すかを仕事や生活を通じて考えていただきたい」と橋本氏が締め括り、活発な意見交換のセミナーでした。


橋本 かおり氏


講演の様子


SDGsカードゲームの様子


SDGsカードゲームの様子②

09月 第2部 講演・セミナー

  第2部 講演・セミナー
 「日本の働くに『ひと息』を」

講師:株式会社ブレストラン京都支部代表 豊西 有貴氏
会期:2019年9月18日(水)  実施時間:18:00~20:00
会場:京都経済センター 6-G会議室

 優れた仕事には、優れた心身が不可欠です。今回は全米ヨガアライアンス200を取得し、ヨガを通じてビジネスマンの心と身体の健康をサポートしている豊橋有貴さんを講師にお招きし、元気で活力にあふれた日々を過ごすに必要な実践的スキルを学ぶスペシャルタイムでした。

 豊橋さんは南米ペルーでヨガを学び、国際的なヨガの指導資格の全米ヨガアライアンス200を取得。2018年にフリーランスとして独立後、企業を対象に健康経営、コミュニケーション促進のサポートを実施。本年春に空気が美味しいレストラン、株式会社ブレストラン京都支部代表に就任しビジネスマンの心と身体を整える健康サポートをメインに活動しています。豊橋さんが「がんばるための、一休み」を切り口に提示した3つのポイントは①観察する━自分がどのような状態にあるのか、②整える━姿勢を正す、③動かす━身体をほぐす。「休むということに罪悪感を抱いてしまう方々が少なくないように思いますが、身体を壊してしまってからでは遅い。予防医学の観点から心身の健康を注視すべきです。最新調査でも約84%の人々が身体に不調を感じているといいます」。特に「呼吸スキルの習得・習慣化」の提案は、呼吸が唯一自分の意思でコントロールできるものからです。
 1つ目のポイント「観察する」は、その場で60秒間のジャンプ後、左手を心臓に、右手をお腹に当てた状態で「自分の心拍を観察」。その鼓動は「生きている証」であり、深呼吸をすると『幸せのホルモン』と称されるセロトニンが分泌され、好奇心が湧き、行動力が高まり、パフォーマンスがアップします。
 2つ目のポイント「整える」は、姿勢の確認と修正です。一般的には猫背になる傾向が強く、継続すると首や腰に負担がかかり、精神的にはネガティブになるといった悪影響が出ると指摘。姿勢確認に、各自が壁に背を向けて確認。頭部、肩甲骨、臀部、ふくらはぎ、踵の5ヵ所が壁に接していれば問題ありません。また、仕事の合間や駅で電車を待つ時などの空き時間に「姿勢を整える」方法も学びました。
 3つ目のポイント「動かす」では簡単にできる様々なヨガを実践も交えて楽しく教わりました。更に、身体の歪みの有無を確認する方法も学びました。目を閉じて、その場で足踏みを30秒前後行い、終了後に位置がずれていれば、歪みがあるのです。最後に3分間の瞑想を試みました。自分の呼吸に意識を集中し、脳裏に浮かぶ雑念を手放すのがコツです。自分の心身の状態を見詰め直し、元気を呼び覚ますスキルの数々を学んだ例会でした。身体を動かすことは理屈抜きで心地良く、参加者の誰もが実に楽しげだったのが印象的でした。


豊西 有貴氏


講演の様子


ポイント①「観察する」


ポイント②「整える」


ポイント③「動かす」

08月 第2部 講演・セミナー

  第2部 講演・セミナー
 「ビジネスゲームで経営感覚を養おう」

講師:一般社団法人バトルクレイン・プロジェクト
会期:2019年8月28日(水)  実施時間:18:00~20:00
会場:京都経済センター オープンイノベーションカフェ

 起業家グループ「Kyoto eggs」を中心メンバーする各分野の専門家が集団で、体験型企業経営実践ゲーム「バトルクレイン」を開発。経営に関する各種セミナーの企画・運営を実施している。今回、紹介の「バトルカラー」は少人数で体験できる「バトルクレイン」の姉妹版です。

 「バトルカラー」は小規模の個人事業などを始めたい人々やベンチャービジネスを展開する起業家などに向けて開発された、実践体験型ビジネスゲームです。これによってビジネスに必要な①お金の流れ、②的確な判断力と行動力、③需要と供給のバランス、④市場におけるコミュニケーション、⑤チャンスとリスクを学べるようになっています。
 まず、ゲーム参加者がグループ別にバーチャル市場を形成し、個々が事業主になって収益を競います。各グループには市場管理者のファシリテーター(主催者)が加わり、ゲームの進行を担当。事業主はファシリテーターから注文を受け、これに基づいて材料を仕入れ、加工を施し、商品に仕上げて納品します。これらの作業は1期15分の時間配分で行ない、終了時に決算します。作業と並行して帳簿をつけ、経費や売上を的確に管理することが重要です。1期15分を3期行うことで、資金管理の重要性を実感しながら帳簿や損益計算書の書き方が身につきます。また、各期の途中でビジネスイベント(天の声)が発せられ、対して各事業主は臨機応変に即応することが求められ、現実の市場で起こる予測不可能な出来事も疑似体験できるよう仕掛けられています。具体的には、商品が「□=150万円」「☆=200万円」「♥=250万円」「○=300万円」の4種類の図形(各色別)で、ファシリテーターが各事業主にいずれかの商品(複数の組み合わせ含む)を発注。事業主はその商品を仕上げるためにあらかじめ用意された数種の材料から、希望の物をファシリテーターから購入します。また、設備として加工に欠かせないハサミ(大=150万円、小=100万円)も用意されています。
 それを、ゲームの開始前に手渡された開業資金内で購入するわけです。もちろん設備の数も限定されています。材料は事業主間で貸し借り、売買が可能で、オーダーシート変更や資金の借り入れもファシリテーターから500万円を上限に利息10%で借りることもできます。オーダーが仕上がれば、ファシリテーターに納品し、商品と引き換えにお金が支払われるわけです。商品の仕上がり具合によっては値引きや返品などもあり、数多くの配慮や工夫もされた機転も問われるビジネスゲームです。実践からの多くの課題を見出すことができました。金銭出納、損益計算でも帳尻が合わない事業主も散見されました。ちなみに、今回は3チームで「バトルカラー」が行われ、3期を通じて黒字になったのは4名でした。


ビジネスゲームの様子


ビジネスゲームの様子


ビジネスゲームの様子

07月 第2部 講演・セミナー

  第2部 講演・セミナー
 「『経営と人生をパワーアップするために』〜心の性質を知る〜」

講師:有限会社エスアールフードプロデュース 代表取締役 齋藤 三映子氏
会期:2019年7月24日(水)  実施時間:19:00~20:30
会場:京都経済センター7階

 心理カウンセラーとして約700人の若者をカウンセリングし、23年間にわたって企業コンサルタントとして経営者の悩みを聴いてきた齋藤 三映子氏。その多彩な実績に基づいて提言する「人を動かし、導く力」の核心とは何か。極めて具体的で明日からでも直ちに実践できるノウハウの数々を知ることができた特別講演でした。

 1996年に地域食の特産品開発、メニュー提案、店舗プロデュースなどを業務とする有限会社エスアールフードプロデュースを創立。2008年に京都市受託事業「伏見商店街特産品の新商品開発」に携わり、翌年に京都府若者就職支援事業として伏見カフェ「月のとき」をオープン。心理カウンセラーとして、若者たちのカウンセリングを行ってきました。また、企業コンサルタントの実績は23年に及び、2014年には産業カウンセラー資格登録(一般社団法人ムーンライト設立)、2017年には心屋認定カウンセラー資格登録しています。
 今回の講演は、このような数多くの実体験や心理学に基づくもので、最初に齋藤氏が参加者に投げかけたのは「かつては人々の価値観は概ね均一的でしたが、時代は大きく変化して『自分における幸せとは何か』を具体的に考えなければ、満足度に大きな差が出ます。仕事をしながら幸せになる。心を充たすということを真剣に考えて欲しい」と云います。
 「2009年オープンの『月のとき』は就労困難者の支援事業で、当初は引き籠りをなどの若者を採用して店を運営するのは難しいという意見が大半でした。でも、私にはできるという確信がありました。フードプロデュースの仕事で学んだノウハウを活かし、『彼らが出来ないという点』を全てクリアして万全のお膳立てをしたのです。10年の歳月を経た現在、青年たちの一人は店長になり、引き籠りだった若者は結婚して息子が生まれ、父親の事業を社長として継承しています。まさに感無量です」。更に企業コンサルタントと心理カウンセラーの組み合わせは、高い相乗効果を発揮すると語ります。企業活動には様々な人間ドラマが存在します。①売上成長には顧客の心理や感情を理解しなければならない、②組織力を上げるには社員の心理や感情を把握しなければならない。つまり、数字と心は繋がっていると明言します。「人を動かす力はコミュニケーションのあり方で大きく異なります。そのコミュニケーションの要は『信頼』で、誰が伝えるかで結果が大きく異なります」。どのような人に信頼を感じるかの調査では①自分のことを認めてくれる人、②自分に気づきや成長を与えてくれるひと、③表裏のない人、約束を守る人、発言や行動が一致している人、④GIVEの精神がある人、面倒見が良い人、思いやりがある人、という結果が出ています。現在では、「マズローの欲求段階説」もアルダファー理論へと再構築され、その要素は①生存欲求、②関係欲求、③成長欲求の3つです。関係欲求の根幹を成すのが承認欲求で、「認められたい」という欲求です。信頼を得るには人を認めることが重要です。その5つのポイントは、否定しない・褒める・感謝の気持ちを伝える・続けて話を最後まで聞く・労をねぎらう、です。実践することによって現状は画期的に変化します」。また、「成長欲求」に即応するためにも、「①可能性を信じ、②長所や潜在能力に気づかせ、③社員の力が無限であると信じましょう」と、齋藤氏は提言します。


齋藤 三映子氏


講演会の様子

06月 記念講演

  第35回総会 第2部 記念講演
 「京都をモノづくりベンチャーの都に」

講師:(株)Darma Tech Labs 代表取締役 牧野 成将氏(モノづくり起業推進協議会会長)
会期:2019年6月6日(水)  実施時間:16:00〜17:00
会場:リーガロイヤルホテル京都

 牧野氏がデジタルファブリケーションの活用と普及に、京都市、ASTEM、京都リサーチパークと共に「Kyoto Makers Garage」を開設したのが2017年。現在は新たに、3Dプリンタやレーザーカッター、CNCスライス、検査装置などが自由に活用できるスペースで、使い方のレクチャーやワークショップを展開。そんな現場から、新たなモノづくりへの重要ポイントの講演をお願いしました。

 モノづくりに大きな地盤変動が起きているというという指摘から講演は始まりました。具体的には①デジタルファブリケーションの普及、②クラウドファンディングの台頭、③インターネットオブシンクスの出現です。一つ目のデジタルファブリケーションは3Dプリンタ、CNCフライス、レーザーカッター、ロボットアーム、センサ、3Dスキャナなど新たなモノづくりの機器です。二つ目のクラウドファンディングは新しい資金調達の手段、三つ目がIoTと称されるソフト/ハード融合によるビジネスモデルの創出です。
 先ず、クラウドファンディングの事例としては、スマートフォンなどを用いてクレジットカード決済をするスクウェア社の開発のための資金集めを紹介。モノづくりが低価格で可能になってきた新たな時代の潮流を提示します。また、2009年に設立されたクリエイターがプロジェクトを実現するための資金を世界から募ることのできる世界最大のファンディングプラットフォームも取り上げ、これまでに40万以上のプロジェクトが総額3700億円を調達していることを注視してほしいと語ります。さらに、クラウドファンディングは応募者がそのまま見込客であることも大きなメリットとして挙げます。インターネットオブシンクスの一例としは、スマートフォン、フィトビット、スマートスピーカーを明示し、インターネットとハードウェアの新たな融合が大きな可能性を秘めていると提言します。
 クラウドファンディングは起業家にとって極めて有効な資金調達手段ですが、大きな課題がありました。「死の谷」と称される量産化試作の壁です。85%前後の企業が困惑しており、牧野氏も米国で「日本ではこの問題をどのようにして乗り越えているのか」という質問を多数受けたとふり返ります。ここで着目したのが2001年に京都の中小企業が立ち上げ、現在50社以上が加盟する京都試作ネットでした。2015年に京都試作ネットと連携してハードウェアスタートアップ向け支援プログラムとして「MAKERS BOOT CAMP」を開設しました。業務分野は①MBC試作コンサルティング、②量産化試作with京都試作ネット等、③MBC試作ファンド(20億円超)、④MBCサプライチェーン実施です。MBC試作コンサルティングではスタートアップ時の諸課題をテクニカルメンバーがサポートし、50社以上の試作支援を実施。量産化試作ではスピーディに少ロット生産を実現し、試作ファンドでは国内9社、海外(US)10社への投資を実行。サプライチェーン支援でも1万台以上の量産化もサポートしています。
 これらの新しい動きに私たちは情報の大切さを思い知らされることとなりました。私たち京都市ベンチャービジネスクラブは、今年度の基本方針一つである「チャレンジ精神あふれた起業家との交流」を推進していく大きなきっかけにしたいと考えています。


牧野 成将氏


講演会の様子

01月 講演会

  第2部講演・セミナー
 「伝統の技を世界で売る方法
         〜ローカル企業のグローバルニッチ戦略〜」

講師:(株)日吉屋 代表取締役 西堀 耕太郎氏
会期:2019年3月8日(金)  実施時間:18:00〜21:00
会場:京都リサーチパークKISTIC 2階

 日吉屋5代目に就任したのが29歳。廃業寸前の「京和傘」の老舗をグループ会社全体で約150倍の売上高にした西堀耕太郎氏。その起点となったのは「和傘を照明に転用できないか」という閃きだったという。海外市場に果敢に挑み、大成功した貴重な日吉屋メソッド。その全てを聴講しました。

 西堀氏が日本を客観的に捉え、独自の伝統文化を見詰め直す契機になったのがカナダ留学でした。世界各国から留学生が集う人種のるつぼトロント大学で、多大な刺激を受けます。帰国後、地元の新宮市役所の職員になったものの、後に妻となる日吉屋の次女と出会い、京都に居を構えることになります。彼女の実家は江戸時代後期から160年以上続く「京和傘」の老舗でしたが、年商100万円台の赤字続きで廃業寸前。留学をきっかけに「和の伝統美」に心惹かれていた西堀氏は、状況の打開にインターネット通販に取り組みます。ITが脚光を浴びる少し前の1997年頃でした。この目論見は功を奏し、自身も和傘づくりに打ち込むようになり2003年に日吉屋5代目に就任します。
 「ネット受注も頭打ちになるだろうと」いう不安を抱きながら仕事を続けていたある日、突然、「和傘を照明に転用できないか」という着想を得ます。手漉きの和紙を通して降り注ぐ優美な光が導いた閃きでした。以来、試行錯誤を繰り返しながら商品開発に没頭。その結実である「古都里-KOTORI-」を海外で問う日が2008年に訪れます。フランスのパリ郊外で開催される世界最大級のインテリア&デザインの見本市「メゾン・エ・オブジェ」に出展。京都商工会議所が中核となって「京都プレミアム」の名の下に公募で選出した作品を展示会に送り込むことがきっかけでした。更に、翌月のドイツ・フランクフルトで開かれるインテリア・生活雑貨の展示会「アンビエンテ」にも参加。しかし、国内でグッドデザイン賞特別賞を受賞した「古都里-KOTORI-」の海外初の試みは不発でした。作品としての評価は高かったものの、「小さ過ぎる」「明る過ぎる」と指摘されます。電圧の違いや欧州の安全規格基準もクリアする必要があったのです。学んだのはローカライズの大切さでした。しかし、その一方で幸運もありました。「アンビエンテ」主催会社の副社長が「古都里-KOTORI-」」に目を留め、同社開催の展示会「テンデンス」に招待してくれたのです。課題を踏まえた改良品は脚光を浴び、初めての海外取引が実現。翌年には「ニューヨーク国際現代家具見本市(ICFF)」の日本のパビリオンに出展。新製品で素材にスチール+ABSを用いた可変照明「MOTO」が2010年にグッドデザイン賞、2011年には世界最高峰のデザイン賞「iF Product Design Award(ドイツデザイン賞)」も獲得します。
 「作り手が良いと考え、作りたいものを作るプロダクトアウトではなく、外部のプロフェッショナルと組み、市場のニーズを的確に捉えたマーケットインのものづくりを追求し、海外市場ではグローカリゼーションに徹する。目指すのはグローバルニッチトップ、世界におけるオンリーワン」と西堀氏は熱く語ります。そのために「まず自社の存在価値を見出し、明確な企業理念を打ち立てることが重要」で「国内外でメディア露出を高めることによってブランドストーリーを訴求すべきだ」と西堀氏は提示します。 このような成功戦略を基に、日本の伝統工芸や中小企業の海外向け商品開発、販路開拓を支援するための㈱TCI研究所を2012年に設立。サポート実績は100社以上とか。2015年に、パリに約180㎡のショップとショールームを兼ねて『アトリエ・ブランマルト』を展開。国内の優品をプロモーションし、海外デザイナーとの共同商品開発などを推進。活躍はこれからも広がります。


西堀 耕太郎氏


講演会の様子

02月 講演会

  第2部講演・セミナー
 「これまでのインド、これからのインド」

講師:(株)ジャパンディア 代表 伊勢 司氏
会期:2019年2月19日(火)  実施時間:18:00〜21:00
会場:公益財団法人京都高度技術研究所10階

 インドのバナーラス・ヒンドゥ大学大学院で観光経営学とヒンディー語を学んだ後、京都でインバウンド・アウトバウンド事業・レストラン事業に加え、インドでのビジネスサポート事業を展開。「日本とインド、人をつなぐ」をモットーに活躍する伊勢司氏に、インドビジネスの課題と展望をお聞きしました。

 伊勢氏が初めてインドを訪れたのは10歳の時。ヨーロッパやアメリカは旅していたものの、この地は別格で大きなカルチャーショックを受けます。例えば、ムンバイの通信事業などで大成功した社長が約650億円で建設した60階建ビルに住み、他方、貧民街には映画『スラムドッグ$ミリオネア』で描かれたような人々が洗濯などを生業にひしめいる。「その格差に愕然とした」といいます。その後、同志社大学商学部の学士論文で『訪日旅行者誘致・インド人旅行者誘致における今後の展望と課題』をテーマに選択。1ヶ月間のインドの現地調査実施をきっかけに、観光と言語を本格的に学ぶためにバナーラス・ヒンドゥ大学大学院で観光経営学とヒンディー語に取り組みます。帰国後の2015年に㈱ジャパンディアを設立し現在に至っています。

 インドの国土面積・人口は日本の約10倍で、29州の文化・習慣は異なり、言語も多様で、宗教も多様です。経済の発展は「1991年に貿易自由化が実施され、2005年頃から日本企業も進出するようになりますが、当時は267社で大企業のみでした。それが2013年には1038社、2018年には1441社となり、拠点数も5102に達している」といいます。業種的には金融業、製造業(主に自動車)、卸業・小売業、サービス業の順で、中小企業では製造業が多く、売上高は約1~50億円(2012~2013年度)程度。
 次にインドでの事業展開の課題は何か。「①関税・貿易の規制、②質の高い人材確保の困難さ、③納期の延滞、④電力・物流の税率、⑤地場企業との競合などである」と指摘します。ちなみに、2017年の関節税率大改革でビジネスがし易くなっているといいます。
 続いて、注目すべき点は「人口です」と強調します。2014年の約12億5千万人が、2019年の現時点で約13億6千万人に急増。2030年には約15億人、2050年には16.6億人を予測。さらに、経済発展に直結する平均年齢も若く、2030年の時点で約31歳、2050年でも約38歳を想定。日本の平均年齢30~40歳時代の経済成長を思い起こさせます。
 「最後に、注意すべきことがあります。地域格差が非常に大きいので、どのようなビジネスをするかでターゲットとする地域を慎重に選択しなければならないということです」と、伊勢氏は締めくくりました。その後、講演はパネルディスカッションに移行し、「法律上のトラブル事例」、「インド進出時の注意事項」、「工場建設の状況」、「言語の問題」など具体的な内容に関して討議が行われ、その熱気は懇親交流会にも持ち込まれました。


伊勢 司氏


講演会の様子①


講演会の様子②


ディスカッションの様子①


ディスカッションの様子②

01月 講演会

  第2部講演・セミナー
 「『大学の成果、知見をどのように活用すればよいのか?』
                   ー産学連携の現状と課題ー」

講師:京大オリジナル(株) 代表取締役社長 宮井 均氏
会期:2019年1月22日(火)  実施時間:18:00〜21:00
会場:公益財団法人京都高度技術研究所10階

 次代に向けて卓越した独自技術や新たな付加価値を創出するために、今改めて「オープンイノベーション」が注目されています。今回は京都大学100%出資の事業子会社で産学連携と研修講習事業を推進する、 京大オリジナル㈱代表取締役社長の宮井 均氏をお招きして大学の成果・知見の具体的な活用法をお聞きしました。

 宮井氏は京都大学大学院(電気工学)修了後、NEC(研究開発、PC事業)を経て2013年から京都大学URA(工学)で産学連携などを担当し、昨年6月に設立された京大オリジナル㈱の代表取締役社長に就任されました。京都大学には産学連携本部の子会社として、高まるオープンイノベーション、リカレント教育などのニーズに積極的に応えるために設立されたのが京大オリジナル㈱です。産業界との技術シーズ連携を推し進める『コンサルティングサービス』と対する課題解決、事業テーマや戦略の課題探索まで多角的に展開。研修・講習サービスでは特定(企業)向け専門講座、企業・大学との連携研修、一般向け教養講座など多彩に展開しています。

 現状は「極めて多様なニーズに応えている」といい、京都大学には人文社会系から理工系、医薬系まで約50の部局があり、「ものづくりであれば工学研究科。注目のAIであれば情報学研究科の知能情報学。アジア・アフリカ系に関する問合せも増加している」といいます。また、文理融合・学際領域も注目されており、ブロジェクト例としてはインフラ防災、劣化メカニズムなどを研究する『インフラマネジメント』や『超高齢社会デザイン』、最先端の人工知能研究や機能性食品・医薬品の新シーズの創出を目指す生理化学研究など、「理系から文系まで幅広い分野を網羅している」とのこと。京都大学の研究者は全学で約3000名。オープンイノベーションに積極的に対応してくれる研究者は3分の1の約1000名とのこと。「まずは先生に意見(考え方)を求める方法もあります。これなら容易に応えていただける研究者が多いからです。研究者はサブテーマも手掛けており、この部分でマッチングする可能性もあります。更に、他大学のテーマでマッチングすることも少なからずあり、問合せスタイルもさまざまです。いずれにしても、テーマを絞り込むほど良い成果をえることができる」と強く言います。大学で基礎研究を行い、ベンチャー企業が開発応用し、企業が事業化するという方法も増加しているそうです。「大学の成果、知見の活用にはノウハウが必要です。だから、まず京大オリジナルに相談してほしい」とKVBC会員企業へ宮井氏から熱いメッセージをいただきました。


宮井 均氏


講演会の様子①


講演会の様子②