活動報告

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2018年 活動報告

10月 講演会
  第2部講演・セミナー
 「『強み』経営は人づくりから
   ~強みの発見方法から人づくり支援の助成メニューまで~」

講師:ビジネス創造工房サムズアップ 中小企業診断士・社会保険労務士 小谷 貞夫氏
会期:2018年10月22日(月)  実施時間:18:00~21:00
会場:京都商工会議所 第3会議室

経営者に伴走し、社内プロジェクトの一員として業務に参画しながらビジネスを創造する「ビジネス・クリエイター」を目指す小谷氏。 1988年京都府に入庁し、中小企業総合センターを経て14年間にわたる中小企業支援施策の企画立案から実施までの経験。 その多くの実績を活かそうと、2014年に「ビジネス創造工房サムズアップ」を開業。その幅広い知識と経験による実践的な多くの事例を交えながら、 中小企業の「強み」経営を具現化する、人づくりの実践を語っていただきました。

 「企業経営における強みは有形と無形の経営資源に二分化され、中小企業が充実させるべきは無形の部分で、特に知的資産」だという。 更に必要なのが、コア・コンピタンスとケイパビリティの分析で、前者は独自の技術・知識・経験。後者は固有の組織力。 「この2つを掛け合わせたものが企業の力で、売上向上やお客様から見た評価に繋がる」という。
 さらに「それを担っているのが社長を含めた人材であることを再確認していただきたい」と小谷氏は強く言います。 「人材は企業の強みの中核でありながら、多くの中小企業は大きな課題を抱えています。 それは、①何をすれば良いのか分からない②成果があがらない③コストがかかる④直ぐに辞めてしまう⑤社員にその気がないなど」と挙げます。 「問題は⑤の社員のやる気で、これは他と次元を異にする根幹的な問題で、原因は給与、キャリアパス、仕組み・環境に起因」。 これを踏まえて小谷氏は小さな企業の人づくりの基本を提示します。まずは社員の「多能工化」と、「評価軸のチェンジ」による中長期も視野に入れた評価の導入。 そして、上司とのコミュニケーションを積極的に図ることによる「ミドルの育成」。中間管理職がマネジメントできる人数は7~8人が限度ですから、 優れたミドル層の充実が企業経営に大きく影響します。そして、最後が「社員は生身の人間」であるということの認識で、その重要性と具体的な施策が語られました。 社内提案制度、評価体制、目標管理制度など、まだまだ学ぶべき点は数多くあるようです。自己啓発の重要性を改めて認識させられる講演でした。


小谷 貞夫氏


講演会の様子①


講演会の様子②

9月 講演会
  第2部講演・セミナー
 「中小企業、ベンチャーのための”ブランド向上“」

講師:株式会社レスポンスアビリティ 代表取締役 足立 直樹氏
会期:2018年9月20日(木)  実施時間:18:00~20:30
会場:公益財団法人京都高度技術研究所 10階

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8月 講演会
  第2部講演・セミナー
 「中小企業、ベンチャーのための”ブランド向上“」

講師:有限会社BULE-M 松尾 裕司氏
会期:2018年8月22日(水)  実施時間:18:00~21:00
会場:ASTEM10階 会議室

 今回は500社以上の企業支援実績を誇る松尾裕司氏に、ブランド強化の実践的施策を教授していただきました。先ず最初には、「ブランドに関するイメージの共有」から始まります。価値には「機能的価値とブランド価値があり、例えば、傘という商品の機能的な価値は『雨を避けること』が目的であれば、百均の傘でも事足ります。しかし、高級レストランで会食する場合には、そのシチュエーションに即した高級品が望ましい。これがブランド価値です」。機能的価値とブランド価値の比率は5対5がベストですが、日本の場合は9対1、8対2が大半で、品質重視に偏っていると指摘します。
 次に、「ブランドの必要性」。品質や機能的に優れたものだけでは、すぐに類似品が登場するため、商品の存在意義を示すことが重要になります。ブランドは企業の旗印で、人々がモノを選ぶ判断基準になっており、現在の世界におけるブランド1位はグーグルで、アップル、アマゾン等が続きます。日本のトップはトヨタが36位と、非常に弱いわけです。
 ブランドは、ユーザーに信頼と安心を約束するコーポレートブランドと、企業が提供するプロダクトブランドの2種でツリーが構築され、自社がどのような企業であるかを発信し好感を持って受入れられるように推進しなければなりません。優れたブランド戦略が会社の伸展に大きく役立ちます。先ずは、「現状把握」。自社の強みと弱みを捉え、目指す方向の絞り込みが大切です。明暗を分けた好例が富士フイルムとコダックです。前者はフイルムが消滅することを予測し、独自の先進技術で新たな収益源を創出。これに対し、コダックは新事業育成に失敗し、事業再生申請を行う羽目に陥ります。次に「考え方の策定(ブランド価値の規定)」を行い、理念や使命を端的な言葉で表すブランドステートメントの展開を行います。続いて「見え方の策定」でネーミングとデザインの決定。次に「伝え方の策定」で、媒体を活用しての社会への継続アピールと社内への浸透を図る。最後に「攻め方の策定」となります。ブランドシンボルとしての新商品開発もブランド構築には重要といいます。
 解り易い例も多く、多数の出席者が参加した交流会まで熱気に包まれたものでした。


松尾 裕司氏


講演会の様子①


講演会の様子②

7月 講演会

KVBC例会は本年度から開催要領をリニューアル。第1部:アピールタイムに続く第2部で講演・セミナーなどを新展開しています。
第1回目は講師に井上誠二社長(建都住宅販売株式会社)をお迎えし、富裕層向けマンションからホテル建設ラッシュへ変化した時代動向を背景に、京都の地価と経済、地元社会に及ぼす影響を、長年の実績に裏付けられた卓越した視点から語っていただきました。


  例会「インバウンドがどのように地価に影響したか。」
     ~地価の動向から占う京都経済に与える影響~

講 師:建都住宅販売株式会社 代表取締役 井上 誠二氏
会 期:2018年7月12日(木)  実施時間:18:00~20:00
場 所:京都商工会議所

 現在の建築ブームは、富裕層向けマンションからホテル建設へ移行しているといいます。この4~5年で京都市内に建設された富裕層向けマンションの代表例といえば、梨ノ木神社、鴨川御所東、御所南、岡崎、下鴨神社など、京都に住む人間であれば「あれだ!」と分かるものばかりです。その背景には、2007年の新景観条例による新築マンション供給の急減、2013年頃からのアベノミクスによる経済活性化、都心マンション価格上昇などに加えて、東日本大震災を機に首都圏から移住する人々の増加が有るといいます。京都の山紫水明と讃えられる景観と永い歴史に磨かれた珠玉の文化は、住む人々のステイタスとして申し分なく、「京都」といえば完売できる時代が到来したわけです。
 しかし、「新築マンション価格が、2000~03年頃に坪当り150万円前後のものが、2015~16年には280~380万円まで上昇。採算が合わなくなった」といいます。その為、ホテルであれば3~5倍の利益が得られることから、ホテル建設へ投資が移ります。「1年間で客室は約4,500室増加。ホテルで約6.5%増、旅館は約0.8%増、簡易宿泊所は約150%増」と、加えて「用地供給は地元製造業の低迷や和装産業の衰退に加え、借家(町家)の売却などの資産処分で十分」といいます。
 これらを踏まえて次代を展望する時、次の課題が挙げられます。景観無視、地上げ復活、外国人購入による問題発生など。更にホテルの稼働率は横ばい状態になり、宿泊価格は前年比約9%下落。「危惧すべきは世界規模の景気後退で、政治的なリスクもあり観光客が激減した時、激増したホテルなどはどうなるのか。恐ろしい状況が現出する」といいます。「中長期の視点で見た時、マンション価格も調整時期を迎えており、高齢化による空室の増加、老朽化、修繕・積立金不足によるスラム化が懸念され、価格低下、管理不足、自治活動の低下等による地域社会問題も深刻化する」といいます。
 それらの課題解決と地域経済の発展には、「そこに暮らす市民と地元中小企業の力が欠かせない」と井上誠二社長は力強く提言します。ちなみに、京都の地価はすでにピークで、次の底値は2022~23年に来ると予測しています。


井上 誠二氏


講演会の様子